リレーエッセイ
2021.04.06
第29回 学部18期生/博士前期課程20期生 西村結花さん
学部18期生、修士20期生の西村結花と申します。今年度より当学科の臨床看護学講座成人慢性期助教として着任させていただいております。この度、学部、修士の先輩である大崎瑞恵先生よりご紹介をいただきました。
何をテーマにしようか悩んでいるうちに、ふと自分が看護師を目指そうと思った出会いや、学科での思い出が浮かんできました。私が看護の道を選んだきっかけは、高3の春、担任の先生に「結花は看護師が合うよ」と言われたことでした。元々、母と叔母の影響から美容師になるものだと思っていたため、先生のその一言はとても予想外でした。それまで看護師の仕事について全く無知でした。そこで、川島みどり先生の著書「キラリ看護」に描かれた看護の考え方、職業人、女性としての生き方にのめりこんでいました。また、幼少期に肺炎で入院した際に看護師にお世話になったこと、当時曾祖母の訪問診療・訪問看護に来てくれる医師や看護師との出会いもあったことから、志望を当学科に決めました。
学生生活は、先輩から聞いていた通り厳しいものでした。初めて自分としっかり向き合わなければならない数々の経験をしました。クラスメイトや先輩・後輩、先生、患者さん、病院スタッフ、家族・・・と実に多様な人々と関わることで、元気が出たり、辛くなったり、山あり谷ありの4年間でした。それらは、時間と共に有意義な思い出に変わり、その後の自分の心の栄養となっています。そして実習指導や卒業研究などでたくさんご指導していただいた尊敬する恩師たちとの出会いは、私にとって何よりの大きな財産です。
こうして卒業から7年たった今、私は教員として学生と関わっています。彼らは一人一人違った環境での成長過程や入学志望動機、日常の暮らし方を持っています。学生生活の中で、明確な目標を持つ者も、目標を探している者も、誰もが「今」を大切に生きるように応援していきたいと思います。自分が学生時代にそうしてもらったように……。そして、心地良く感じる体験も迷いや、つまずきを感じる体験も、その全ての積み重ねが、自身の生きる糧となることを伝えていきたいです。