リレーエッセイ
2021.04.06
第21回 学部8期生 土屋沙織さん
この度、リレーエッセイのバトンを受け取りました、看護学科8期生の土屋沙織と申します。卒業生としてこういった形で山形大学に関われることをうれしく思います。私は卒業後、地元の病院で10年ほど小児科看護師として働き、3年前に上京し現在は大学に勤務しております。地元以外の土地に現在いることに私自身驚いております。
さて今回は、生まれてから数年前まで地元から出たことのなかった私が、上京して感じたことを回視してみたいと思います。
「住むのは都会が良いか、田舎が良いか」
小学校高学年の道徳授業の時に議論のテーマになったものです。都会は、なんといっても欲しいものが(お金を出せば)すぐ手に入ります。美術館に行きたい!と思ったら数時間後には叶ってしまう、おしゃれなあのお店のあれが欲しい!と思えばすぐに手に入る、そんな生活があります。片や田舎は、広大な自然があることではないでしょうか。仲間とキャンプに行き、冬はスノーボードに行く、そんな楽しみ方が田舎にはあります。
前述の議論のテーマの当時の私たちの答えは、同級生(と言っても7名)のうち、1名だけが「暮らすなら都会」と答えました。当時の田舎に住む小学生が、都会という言葉だけでどれ程想像できたかは程度が知れた話でありますが、2者に関して同等の知識とそれについての経験がある今でも、行き着くのは「住めば都」というところでしょうか。
都会と田舎、どちらにも良い点と悪い点があり、実現できることとできないこと、そこでしか経験できないこと、その場所でだからこそ楽しめることがあります。自分自身をその環境に適応できるよう努力することは必要です。ただ、自分の生まれ育った故郷への思いはどこに住んでも変わらないということは確かな事実です。
漠然とではありますが、私自身故郷のために何かしら還元したいと考えるようになりました。そのためにこれから起こることを受け入れ、今この場でしか経験できないことを吸収して行きたいと思います。